一条恵観山荘

2023年11月29日

 浄明寺のバス停を降り、進行方向にすすで行くとまもなく右手に滑川が流れています。滑川に沿って行くと右手に一条恵観山荘があります。こちらは昭和62年に京都から鎌倉に移築された、江戸初期の皇族の別荘の建物と庭園です。元々鎌倉にあったものではありませんが、今では鎌倉にすっかり居着いた感じで、貴重な国指定重要文化財の茶室などを見学することができます。

一条恵観山荘の案内

  • 〒248-0003 神奈川県鎌倉市浄明寺5丁目1−10
  • 0467-53-7900
  • 10:00~16:00(最終入園15:30)
  • 鎌倉駅東口発 京急バス4番乗り場より乗車10分「浄明寺」バス停より徒歩2分
  • 入園料 500円 
    建物見学は入園料込みで1500円 事前予約
  • 開園日・イベントはHPで確認を

一条恵観とは

 一条恵観とは、名を兼遐または昭良といい、江戸時代の初めの後陽成天皇の第九皇子でしたが、藤原摂関家の一つ一条家の養子となり、摂政・関白を二度務めました。この山荘は、もと京都西賀茂の里山に一条家の別邸として建てられたものした。

江戸初期の山荘建築

 この山荘が造営された年代は正確には分かっていませんが、記録の上では正保3年(1646)以前であることは確かです。とすれば一条恵観の兄にあたる後水尾天皇が営んだ修学院離宮や、叔父にあたる八条宮智仁親王が営んだ桂離宮と同時代に建てられたことになり、江戸初期の貴族の山荘建築ということになります。

園内を散策

茶室

 茶室には襖の引手に、捨遺和歌集に詠まれた歌の「月の林の…」から取った「月」と「の」の字が取り入れられていたり、二重構造の茅葺屋根や、長炉の熱気を屋根裏に回した暖房機能など、当時では最先端ともいえる技術が取り入れられています。自然を生かし、一見田舎風の意匠で質素さと静けさを醸し出す一方、随所にいかにも位高き人物の山荘であることがうかがえます。

茶室

庭園

 滑川の渓流と、背後の山を生かした庭園は、四季折々の美しさで訪れる人を慰めてくれています。春、新緑の頃、紅葉の時期、季節を変えて訪れるとちがった美しさを感じることができるでしょう。

滑川の流れ

 すぐ下を流れるのが滑川なめりがわです。

かふぇ楊梅亭

 園内にあるカフェ楊梅やまもも亭は、お庭の自然の中に溶け込み、安らぎを与えてくれます。庭園の散策を終えたら、ぜひお立ち寄りください。

一條恵観山荘 かふぇ楊梅亭

秋の一条恵観山荘

 2023年11月29日、史跡と花めぐり・健康ウォークで、一条恵観山荘を訪ねました。紅葉がご覧のとおり盛りでした。平日でしたが人でも多かったです。

入園受付
次はどこ行く?

 一条恵観山荘で庭園日を堪能し、まだ歩き足りないようでしたら、次は左に向かいましょう。滑川に沿って歩いて行くと、まもなく浄明寺のバス停に出ます。そこから右に入れば浄妙寺、左に入れば報国寺。鎌倉でも人気のあるコースですから、帰りの浄明寺から鎌倉駅に行き京急バスはいつも混み合います。のんびり歩く体力、気力、それに時間があれば、報国寺の奥の旧華頂宮邸に足を伸ばし、バスを敬遠して帰りを歩いても30分ぐらいです。ではいい旅を!

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