おんめさま
鎌倉駅の近く、若宮大路に面して立派な石柱がたつ大功寺は、小さなお寺ですが、色とりどりの花が迎えてくれます。また、昔から「おんめさま」といわれ、戌の日には安産のお守りの腹帯を頂きに近郷の妊婦さんが訪れる寺としても知られています。
大功寺のデータ
- 日蓮宗(もとは真言宗)
- 山号 長興山
- 院号 正覚院
- 開山 日澄
- 本尊 産女霊神
- 文永11(1274)年 日蓮宗に改宗
- 妙本寺の院家。
「おんめさま」として有名。
〒248-0006 鎌倉市小町1-9-28 tel.0467-22-0639T 拝観自由
大功寺のガイド
大行寺から大功寺へ
もともとは鎌倉の奥の十二所にあった真言宗の寺で「大行寺」と言っていましたが、源頼朝が軍議を開いて戦いに勝ったといういわれのあるところだったので、「大功寺」と改めました。後に、妙本寺にいた日蓮に宗論で負けた住職が日蓮宗に改宗し、妙本寺の近くのこの地に移ったと言います。またこの寺はもとは「妙本寺」の院家(付属した寺院)であったため、檀家をもちません。
しかし、はからずも裏門が若宮大路に面し、鎌倉駅が開業されてから、駅に最も近いお寺となり、敷地は狭いものの隣には生涯学習センターや島森書店が出来、訪れる人も多くなりました。それ以前から、おんめさまと言われる庶民が安産祈願する身近なお寺でしたが、現在では鎌倉市民の抜け道となっている観があります。
おんめさま
大功寺は鎌倉では安産を祈願する「おんめさま」として知られています。特に戌の日には安産のお守りの腹帯を求めてたくさんの妊婦さんで賑わいます。それは室町時代の終わりごろ、第5代の住職の日棟上人が難産で亡くなった秋山勘解由という人の妻を供養したことから、お産で苦しむ女性の守護神「産女霊神」を本尊とするようになったためだそうです。
むすび巴の寺紋
本堂屋根などに「むすび巴」の寺紋が見られます。通常、日蓮宗のお寺では、井桁に橘の宗紋をつけるところが多いのに、なぜでしょうか。住職にうかがいましたがそのいわれはわからないとのことです。戦国時代に後北条氏の家臣だった浜名氏が寺地を寄進したそうで、その家紋かも知れないとのこと。最初は日蓮宗の寺院で無かったことも関係するかも知れません。
本来の門はこちら
大功寺には若宮大路から入るのが普通ですが、ご本堂の正面は反対側を向いています。これは、本来は現在の裏側の小町大路側は正面だったからです。鎌倉時代は若宮大路は鶴岡八幡宮参道で聖なる道ですから、若宮大路に面していた屋敷の門はいずれも小町大路側にあったのです。
大功寺は、現在では若宮大路側に立派な門があり、小町大路側に石柱が立っているだけですが、本来はこちらが正門だったわけで、小町大路から入る参道の入口に立派な大功寺の石標が立っていることからもわかります。
大功寺の花
大功寺はいつ来てもいろいろな花が咲いています。今回はカメラに収めることが出来た二種類だけを紹介します。